黄華堂☆星空ブログ

黄華堂の活動や、星空情報、宇宙・天文に関するNEWS観望会で使える小ネタ等を紹介していきます。
<< March 2024 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 宇宙×◯◯ Vo.29 〜ホスピス〜 | main | 宇宙×◯◯ Vo.30 〜長野県〜 >>
あなたの知らない宇宙 Vol.59 〜宇宙塵〜
0
    宇宙のことを知る方法は、望遠鏡を使った観測や、宇宙船で他の惑星や小惑星まで行くだけだと思っていませんか?実は、宇宙から降ってくる塵(宇宙塵:うちゅうじん)を調べることでも、宇宙の重要な情報を得ることができます。今回は『宇宙塵』の話を紹介します。


    宇宙から降ってくる物と言われると、多くの人は隕石を想像するかもしれません。最近では、2013年にロシアへ落ちたチェリャビンスク隕石が有名です。隕石の大半は、火星と木星の間にある小惑星や、それらがぶつかってできた破片が地球に落ちてきたものです。そのため、隕石を調べると元の小惑星の情報を知ることができます。しかし、隕石はそう頻繁に落ちてくるわけではありませんし、落ちた隕石を回収できないこともあります。



    宇宙から地球に降ってくるのは隕石だけでなく、隕石より小さい数ミクロンメートル程度の宇宙塵と呼ばれるものも降ってきています。降ってくる宇宙塵の年間総質量は4万トンにも達しますが、大半がその小ささのために地面にたどり着く前に燃え尽きてしまいます。しかし、年間2500トンは燃え尽きずに地表に達し、その量は年間に降ってくる隕石総質量の50倍にもなります。宇宙塵は地球の至るところに降り、その多くは地球の土と混ざってしまい区別することができません。ではどうやって宇宙塵を集めれば良いのでしょう。例外として、南極などの氷の上や、深海の海底に降り積もった宇宙塵は地球物質と区別することができます。さらに、飛行機を使って空から降ってきている途中の宇宙塵を捕まえることも行われています。


    そこまで大変な思いをして、宇宙塵を集めることに意味があるのでしょうか。実は、宇宙塵の中には太陽ができた頃に作られた物質や、太陽ができる前に作られた物質が混ざっていることが分かっています。そのような宇宙塵を調べると、太陽がどんな場所でできたのか、太陽ができた頃の銀河はどんな環境だったのかといったことまで知ることができてしまうのです。そのため、研究者は一生懸命に宇宙塵を集め、宇宙の謎を解き明かそうとしています。まさに、『塵も積もれば山となる』ですね。


    参考文献
    【1】ELEMENTS June 2016 (Vol 12, Number 3)

    By Ono

    あなたの知らない宇宙 | permalink | comments(0) | - |

    この記事に対するコメント

    コメントする