黄華堂☆星空ブログ

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その時”光”の歴史が動いた Vol.05
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    1915年にアインシュタインが一般相対性理論を発見したことを始め、光の科学史において様々な発見・発明の記念年ということから、2015年を光と光技術の国際年「国際光年」とすることが国際連合総会で宣言されました。そこで特集として、光が科学においてどう考えられてきたかをその主要な発見・発明とともに振り返ります。

    「光速の測定 その2」

    * * * * *


    第3回「光速の測定」では、現在長さの基準の定義にも使われている「秒速 299792.458 km」と いう光速が、“光の歴史”の中でどのように測定されてきたかを紹介しました。実はこの光速の値には「真空中の」という“ただし書き”が付いていることをご存知でしょうか。今回は「光速の測定 その2」と題して、真空中ではなく物質中での光速の測定と光の屈折について紹介します。


    光の屈折という現象は、空気中から水などのように、屈折率の異なる物質に光が入射する際に光の進む経路が曲がるという現象です。
    水を入れたコップにストローをななめに入れると、ストローが水面を境に折れ曲がって見えるのも、この屈折によるものです[注1]。光に限らず、波で説明できるものにおいて、その入射角と屈折角の関係は一般的に「スネルの法則」として知られる法則に従うことが分かっています。その関係を調べる試みは、月のクレーターにその名が冠されているクレオメデスやイブン・アル=ハイサム、天動説で有名なプトレマイオスなどの著名な天文学者たちによって、既に1世紀頃から行われてきました。


    この光の屈折が起こる原理を説明したのが、
    前回「光は波か?粒子か?」でも登場したホイヘンス でした。

    前述したスネルの法則を、1678 年に発表されたこのホイヘンスの原理に基づいて説明するには、光は屈折率の大きい物質の中ではゆっくり進む波であることが必要になります。空気と水を例にとると、水の屈折率の方が大きいため、水中における光速は空気中よりも遅くなることが予想されます。これを実験によって実際に確認したのは、第3回「光速の測定」で登場したレオン=フーコーでした。1850年にフーコーが行った実験では、水中の光速を測定できたわけではありませんでしたが、水中の光速と空気中の光速の比の値を測定することができました。

    その結果は、ホイヘンスの原理から予測される値とほぼ等しかったのです。光の粒子説では、光速は空気中よりも水中の方が速くなることを予測していたため、この結果は光の波説の決定的な証拠とされました[注2]。

    (続く)

    注釈:
    1.2種類の異なる物質の屈折率が全く同じだった場合には、その境界面では屈折が起こらないため、境界面が分からなくなります。以下のホームページに、それを利用した面白い動画が公開されて いますので、是非一度ご覧ください。『これはすごい! 「見えないガラス」で作られた ピタゴラスイッチ』

    2.その後の光の波説・粒子説の論争に関する展開は、前回記事を参照してください。


    参考文献:
    「真空より低い屈折率を実現した三次元メタマテリアルを開発 − 電子ビームと金属の自己組織化 で大きなサイズ(数mm角)を実現−」



    by MARK

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