黄華堂☆星空ブログ

黄華堂の活動や、星空情報、宇宙・天文に関するNEWS観望会で使える小ネタ等を紹介していきます。
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6月の星空 vol.115
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    6 月となりました。基本的には暖かいですが、朝晩冷え込むこともあり、まだ上着が手放せない時期ですね。6 月も後半になると梅雨真っ只中で星が見えづらくなるので、星を見るなら天気予報に晴れがある6 月上旬がチャンスです。

    星空では、引き続き木星が目立っていますが、同じ時刻でも見える位置が変わり季節が進んだことを感じます。また、季節変化だけではなく、木星と、木星の近くに見えているスピカとの間隔も1,2 ヶ月前と比べると開いています。

    惑星は太陽の周りを回っているので、星座を作る星に対して位置が変わって見えます。木星は動きが遅いですが、1 ヶ月単位で見ていると、位置が変わったことが実感できます。ちなみに、今木星は星座を作る星に対して西へと移動をしています(太陽や月と反対なので「逆行」と呼びます)。6月10日に「木星が留」とあり、この日を境に移動する向きが反対になり、東へと「順行」するようになります。東へ動いたり、西へ動いたり、人々を惑わせるのが、「惑星」なのです。

    6 月は他にもの惑星がも見やすくなっています。
    3 日には「金星が西方最大離角」となり、明け方に見やすくなっています。15 日には「土星が衝」となります。衝は地球から見て、ある惑星と太陽がちょうど反対方向になることで、この時期はその惑星をほぼ一晩中観察することができます。

    惑星以外では、東の空に夏の星が昇ってきているのを見ることができます。頭の真上近くには春の1 等星アークトゥルスがあり、明るく目立っています。そこから東の空に目を移すとアークトゥルスと同じくらい明るい白い星が見つかります。その星がベガ、もしくは日本では織姫星として知られている星です。そこから低いところに向かってあと2 つ明るい星を結ぶと、夏の大三角になります。まだ空高くは昇っていないこの時期は、見やすい時期ではないですが、上を見上げなくても目に入るので、ふと空が開けた時に「あの星なんだろう?」と思うことがあります。

    また、9 日には満月となり、同じ日に「月の距離が最遠」となっています。月は地球の周りを回っていますが、楕円軌道のため、いつも同じ距離ではなく、近い時と遠い時があります。今回は遠い時に満月となり、今年の満月の中では一番小さく見えます。反対に、今年一番近づいて大きく見えるのは、12 月4 日です。同じ設定で、写真を撮っておくと、大きさの違いを比較することができます。


    6 月の天文現象いろいろ
    ■ 1 日 上弦(21:42)
    ■ 3 日 金星が西方最大離角(明け方東の空に見やすい)
    ■ 5 日 芒種(太陽黄経75°)
    ■ 9 日 月の距離が最遠(07:21、40 万6401km、視直径29'.4)、満月(22:10)
    ■ 10 日 木星が留
    ■ 11 日 入梅(太陽黄経80°)
    ■ 15 日 土星が衝(0.0 等、視直径18".4)
    ■ 17 日 下弦(09:33)
    ■ 21 日 夏至(太陽黄経90°)
    ■ 23 日 月の距離が最近(19:52、35 万7937km、視直径33'.4)
    ■ 24 日  新月(11:31)

    参考文献/参考HP
    【1】白河天体観測所

    by Suzuki & Moritani


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    5月の星空 vol.114
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      5月になると日中暖かくなり、時には暑いくらいになりますね。
      5日に立夏となり、暦の上では夏が始まります。

      星空では、南の空から頭の上にかけて春の大曲線が見えて、春の星が見頃となっています。
      その中で、相変わらず木星が明るく目立っています。今の時期、一番明るい星というと木星になりますが、その次に明るい星となると、うしかい座のアークトゥルスになります。オレンジ色をしているのと相まって、春の夜空では目を引いています。それもそのはずで、アークトゥルスはおおいぬ座のシリウス、りゅうこつ座のカノープスに次いで、星座を作る星の中では3番目に明るい星なのです。
      そんなアークトゥルスは日本では「麦星」とも呼ばれます。麦を収穫する時期になると、頭の真上くらいで輝くことから、麦星と呼ばれたようです。実際に麦畑では、4月には青く実っていた麦が、6月になると小麦色になります。5月はそのあいだの月。アークトゥルスが高く昇るとともに麦が色づいていく様子を見ることができます。

      天文現象を見てみると、25日に「太陽から見て土星環が最も開く」とあります。
      土星と言えば、環をもつことがよく知られています。環は土星が公転する面に対して傾きがあるため、年によって見え方が異なります。傾きが大きいと斜め上から見る形になり、環が開いて見えます。反対に傾きが小さいと横から見る形となり、環が薄く見えます。太陽から見た場合、今月の25日に土星の環が最も開いて見えます。私たちが見るのは地球からではありますが、今の時期は土星の環が開いていて、見ごたえがある時期といえます。
      土星は、現在へびつかい座(さそり座の北)にあり、5月中旬では22時頃に東の空に見えてきます。6月から夏にかけて見頃となります。

      さて、先月は彗星をご紹介しましたが、今月もジョンソン彗星が見やすくなると予想されています。5月中はうしかい座あたりを移動しているのでほぼ一晩中見ることができるのですが、ただし、最近の観測では、予想よりも暗くなっているようです。いずれにしろ肉眼では見えないので、カメラと赤道儀が必要になります。
      (参考:吉田誠一氏のウェブサイト)
      http://www.aerith.net/comet/catalog/2015V2/2015V2-j.html



      図1:5月の星空

      *5月の天文現象いろいろ*
      ■ 2日 八十八夜
      ■ 3日 上弦(11:47)
      ■ 5日 立夏(太陽黄経45°)
      ■ 11日 満月(06:42)
      ■ 13日 月の距離が最遠(04:51、40万6210km、視直径29'.4)
      ■ 17日 ジョンソン彗星(C/2015 V2)が見やすい(うしかい座)
      ■ 18日 水星が西方最大離角(明け方東の空に見やすい)
      ■ 19日 下弦(09:33)
      ■ 20日 小満(太陽黄経60°)
      ■ 25日 太陽から見て土星環が最も開く(13:32)
      ■ 26日 新月(04:44)
           月の距離が最近(10:21、35万7207km、視直径33'.4)

      資料提供:白河天体観測所

      by Suzuki & Moritani


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      4月の星空 Vo.113
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        寒さが緩むとともに、すっきりとした冬の空から、ぼんやりした春の空に変わってきましたね。 星は見えているけれど、少し元気がなさそう、そんな印象から季節が進んだことを感じます。

        4月になると、冬の星はもう西の空へ。 替わって夜空では春の星が見頃を迎えています。 先月ご紹介した春の大曲線から、春の星座を探したいところですが、今は春の星の中で木星が明るく目立っているので、ついつい目が行ってしまいます。 木星は8日に「衝」となります。 衝は地球から見て、ある惑星と太陽がちょうど反対方向になることです。 月に例えれば満月に当たる位置関係なので、衝の頃はその惑星が一番見やすい時期となります。

        さて、春の星の目印は春の大曲線ですが、こうした目印の形に慣れてきたら、星座も見つけたいところ。 春の星座の中で形がたどりやすいのは、おおぐま座としし座でしょう。 おおぐま座は北斗七星が尻尾に当たるので、位置がつかみやすいです。 爪には星が2つ並んでいて、それが丁寧に3か所もあります。 これらを見つけると、全体の形がイメージしやすくなります。


        図1:北斗七星

        しし座は胸のあたりにある1等星であるレグルスから、北に目を移して頭の丸い星の並び、東に体に当たる四角い星の並びを見つけていきます。 足の星は街中では難しいですが、空の状態がよい日に、街灯を避けると見えてきます。


        図2:しし座

        実際の空で星座を見つけるには慣れが必要ですので、星座早見盤などを片手に夜空と照らし合わせてチャレンジしてみて下さい。

        天文現象を見ると、1日にアルデバラン食があります。 この記事を書いている時点では、もう終わってしまっていますが、おうし座の1等星であるアルデバランが月に隠される現象で、一昨年からたびたび起きていました。 星が月に隠されるというのは位置関係が変わっているからで、月が公転していることを感じることのできる現象です。

        また、30日には金星が最大光度となります。 金星は月の次に明るく見える天体で、最大光度の時には昼間でも見つけられるといいますが、それほど目がよくない筆者は見つけたことがありません。 皆さんはどうでしょうか?

        最後に星を見慣れている人向けとして、彗星を一つ紹介します。 14日に近日点を通過した、41P/タットル・ジャコビニ・クレサーク彗星です。 4月に6等程度の明るさになり、カメラと赤道儀があれば写すことができると思われます。 4月はりゅう座の中にあり、北の空で観察しやすい位置にありますので、チャレンジしてみるのもよいかもしれません。
        (参考:吉田誠一氏のウェブサイト)
        http://www.aerith.net/comet/catalog/0041P/2017-j.html


        図3:4月の星空


        *天文現象いろいろ*

        4月の天文現象いろいろ
        ■ 1日 水星が東方最大離角(夕方西の空で見やすい)
            アルデバラン食(京都での潜入18:40、出現19:50)
        ■ 4日 上弦(3:39) 
            清明(太陽黄経15°)
        ■ 8日 木星が衝(-2.5等、視直径44".3)
        ■ 11日 満月
        ■ 14日 41P/タットル・ジャコビニ・クレサーク彗星が近日点を通過(周期5.4年)
        ■ 15日 月の距離が最遠(19:05、40万5475km、視直径29'.5)
        ■ 17日 春の土用(太陽黄経27°)
        ■ 19日 下弦(18:57)
        ■ 20日 穀雨(太陽黄経30°)
        ■ 26日 新月(21:16)
        ■ 28日 月の距離が最近(01:15、35万9327km、視直径33'.2)
        ■ 30日 金星が最大光度(-4.5等、視直径34".5)明け方の東の空
        資料提供:白河天体観測所

        by Suzuki & Moritani


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        3月の星空 Vo.112
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          寒暖の定まらない日々の続く3月ですが、みなさんいかがおすごしでしょうか?学校を卒業されたり、転職されたりと新たな世界に飛び込む準備で忙しい日々を過ごしている方も多いかもしれません。そういうときには少し宇宙を見上げて、一息つく時間を作るのもいいでしょう。それでは3月の星空を紹介します。

          3月になると日付を越える頃には、それまで主役だったオリオン座を代表とする冬の星座が西の空に傾きます。そして、南の空には春の星座に主役がバトンタッチします。春の星座は冬ほど明るい星はありませんが、特徴的な星の並びが幾つかあります。柄杓の形をした7つの星の並び「北斗七星」、北斗七星の柄杓の持ち手部分を天の低いところに伸ばしてできる「春の大曲線」、はてなを左右逆にしたような形の「ししの大鎌」などです。また、こういった星の並びから、春の代表的な星を探すこともできますが、それはまた来月紹介することにしましょう。

          さらに、今月は様々な惑星も観察に適しています。まずは3月15日の明け方4時30分頃、南西の空を見上げると、満月に近い月と、木星、おとめ座の一等星スピカが一列に並んでいる姿を見ることができます。月は日を追うごとに東の空へ移動していき、3月21日の4時30分頃には、半月に近い月と土星が接近します。少し早起きに挑戦して、ぜひこの目で確かめてみてください。また、3月末の日の入り後西の空を見ると火星と水星が見つけやすくなっています。特に水星は普段見つけづらい星ですが、4月1日に東方最大離角を迎えるため、その前後1週間ほどは観察に適しています。3月29日には月齢1の細い月とその右上に水星を見ることができます。少し難しいかもしれませんが、ぜひ挑戦してみてください(図1)。


          図1:水星と火星の見頃【3】


          図2:3月の星空

          *天文現象いろいろ*
          ■ 2日 海王星が合/金星が留
          ■ 5日 上弦 / 啓蟄(太陽黄経345度)
              月面X(19時頃)
          ■ 6日 水星が外合
          ■ 12日 満月
          ■ 14日 月と木星が接近
          ■ 17日 彼岸
          ■ 20日 春分の日/春分(太陽黄経0度)
          ■ 21日 下弦/月と土星が接近
          ■ 25日 金星が内合
          ■ 28日 新月

          参考文献/参考HP
          【1】国立天文台 ほしぞら情報 [http://www.nao.ac.jp/astro/sky/2017/03.html]
          【2】Astro Arts 2017年2月の天文現象 [http://www.astroarts.co.jp/phenomena/2017/03/index-j.shtml]
          【3】国立天文台 日の入り後に水星が見頃 [http://www.nao.ac.jp/astro/sky/2017/03-topics03.html]

          by Kobayashi & Moritani


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          1月の星空 Vol.110
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            新年明けましておめでとうございます。これまで黄華堂ブログをご愛読いただいている皆様ありがとうございます。2017年もどうぞよろしくお願い致します。

            2017年は正月からとても素晴らしい天文現象を見ることができるかもしれません。「しぶんぎ座流星群」です。この流星群は8月のペルセウス座流星群・12月のふたご座流星群に並ぶ三大流星群で、他の二つの流星群に比べて流星の出現数が年によって大きく変化することで知られています。そんなしぶんぎ座流星群は1月3日23時頃に極大を迎えます。月明かりの影響を受けないため、比較的良い条件で観察することができるでしょう(図1)。


            図1:しぶんぎ座流星群(国立天文台【1】)

            1月9日にはアルデバラン食があります。おうし座の1等星アルデバランが満月の少し前の月によって隠される現象です。今回のアルデバラン食は日本全国で観察可能で、真夜中の空の高い位置で起こるため、とても良い条件と言えます。小型の望遠鏡や双眼鏡を使ってぜひ観察してみましょう。それぞれの地域における食の潜入・出現時刻は国立天文台のホームページで確かめてみましょう【2】。



            図2:アルデバラン食(国立天文台【2】)



            図3:1月の星空

            *天文現象いろいろ*
            ■ 1日 元旦
            ■ 2日 細い月と金星が大接近
            ■ 3日 しぶんぎ座流星群が極大
             /月と火星が大接近
            ■ 4日 地球が近日点通過
            ■ 5日 小寒(太陽黄経285度)
             /月面Xが見える(16時頃)
            ■ 6日 上弦
            ■ 8日 水星が留
            ■ 9日 アルデバラン食
            ■ 12日 満月/金星が東方最大離角
            ■ 17日 土用(太陽黄経297度)
            ■ 19日 水星が西方最大離角
            ■ 20日 下弦/大寒(太陽黄経300度)
            ■ 28日 新月

            参考文献/参考HP
            【1】国立天文台 しぶんぎ座流星群
            【2】国立天文台 アルデバラン食
            【3】国立天文台 ほしぞら情報
            【4】Astro Arts 2017年1月の天文現象

            by Kobayashi & Moritani


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            12月の星空 Vol.109
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              東京では積雪も記録し、すっかり冬らしくなった12月の星空を紹介します。
              日が沈み、少し時間の経った7,8時頃に西の空を眺めると、こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブで作られる夏の大三角を見つけることができます。同時に、東の空に目を向けてみましょう。すると今度はおおいぬ座のシリウス、オリオン座のベテルギウス、こいぬ座のプロキオンで作られる冬の大三角を見つけることができます。夏と冬の2つの三角形を同時に見ることができるなんて、少し不思議な感じもしますが、ぜひこの機会に2つの三角形を見つけて、その形や大きさを比較してみてください。

              また、12月といえば、ふたご座流星群が見ごろを迎えます(図1)。ふたご座流星群は毎年12月13,14日頃に極大を迎える流星群で、一晩中流星が出現する可能性があるのが特長です。しかし今年はあまり条件が良いとはいえません。その理由としては、14日が満月にあたり一晩中月明かりの影響を受けること、さらに流星群の極大が昼間の時間帯にあたることが挙げられます。もし流星群観測に挑戦される場合には、空の開けたところで寝転がって空全体を見渡してみてください。また月は手などを使って隠してみるといいでしょう。とても寒くなることが予想されますので、十分に暖かい格好をしてぜひ挑戦してみてください。


              図1:ふたご座流星群(国立天文台)


              図2:12月の星空

              *天文現象いろいろ*
              ■ 3日 細い月と金星が並ぶ
              ■ 5日 月と火星が接近
              ■ 7日 上弦/大雪(太陽黄経255度)
              ■ 10日 土星が合
              ■ 11日 水星が東方最大離角
              ■ 14日 満月/ふたご座流星が極大
              ■ 19日 水星が留
              ■ 21日 下弦/冬至(太陽黄経270度)
              ■ 23日 天皇誕生日/月と木星が接近
              ■ 29日 新月/水星が内合
              ■ 30日 天王星が留

              参考文献/参考HP
              【1】国立天文台 ほしぞら情報
              【2】Astro Arts 星空ガイド


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              11月の星空
              0
                秋もすっかり深まり、冬も間近となった11月はどのような星空を楽しむことができるのでしょうか?11月の星空を紹介します。

                11月14日の満月は、2016年の満月のうち一番大きく見えるいわゆる「スーパームーン」です。月は地球の周りを公転運動しています、その軌道が楕円のため、月と地球の距離は約36万kmから約40万kmの間で変わります。つまり、月そのものの大きさが変化しているわけではなく、月と地球との距離の変化によって見かけの大きさが変わって見えるのです。11月14日の20時20分頃には月と地球の距離が約35.7万kmまで最接近します。目で見るだけではその大きさの違いに気がつくのは難しいかもしれませんが、是非とのように感じるか観察してみてください。

                また、11月は10月に引き続き様々な惑星を楽しむことができます。金星は上旬にはへびつかい座の近くに、中旬以降はいて座の近くに約-4等もの明るさで輝きます。火星はいて座からやぎ座へ移るため、宵の南西の空に見えるでしょう。木星はおとめ座のそばで輝くため、日の出前に東の空に見えます。朝早起きに挑戦してぜひ観察してみてください。水星や土星はみかけの位置が太陽に近いため、観察するのはとても難しいですが、望遠鏡などを用いて探してみるのもいいかもしれません(望遠鏡で太陽を見ないように注意してください)。さらに、11月にはこれらの惑星の間を月が通っていきます。11月3日には金星・土星のそばで、6日には火星のそばで、25日の明け方には木星のそばで月が輝く様子を見ることができるでしょう。


                図1:11月の星空

                *天文現象いろいろ*
                ■ 3日 文化の日
                細い月と金星・土星が並ぶ
                ■ 6日 月と火星が接近
                ■ 7日 立冬(太陽黄経225度)
                ■ 8日 上弦
                ■ 13日 おうし座北流星群が極大(1時間に2個程度)
                ■ 14日 満月
                ■ 16日 アルデバラン食(東京:am2:30-am3:27)
                ■ 17日 しし座流星群が極大(1時間に2個程度)
                ■ 20日 海王星が留
                ■ 21日 下弦
                ■ 21日 小雪(太陽黄経240度)
                ■ 23日 勤労感謝の日
                ■ 29日 新月


                参考文献/参考HP
                【1】国立天文台 ほしぞら情報
                【2】Astro Arts 星空ガイド


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                10月の星空
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                  日ごとに秋も深まり、紅葉の美しい季節となる10月は、「神無月(かんなづき、かみなしづき)」とも呼ばれます。神無月の語源としては、出雲の出雲大社に全国の神様が集まるため、出雲以外には神様が居なくなる月というのが有名かもしれませんが、実はこれは通俗語源(言語学的な根拠がない)で、確かな語源は不明とされています。ちなみに、新穀で新酒を醸す月ということから「醸成月(かみなしづき)」というような語源もあるそうです。


                  そう、日本酒を好む方にとっては、10月といえば日本酒を連想するかもしれません。10月1日は「日本酒の日」で、これは新米で新酒を造り始め、春先に造られたお酒が熟成して飲み頃となる「秋あがり」の時期だからと言われています。そんな日本酒には「月」のついた名前のものが多くあります。有名どころではテレビCMでも良く見る「月桂冠」、広島の「雨後の月」やノーベル賞アフターパーティーで採用されたこともある石川の「加賀ノ月」など、探してみると本当にたくさんの日本酒に「月」の文字が入っています。実際、これらの名前の由来に実際の「月」がどれだけ関係しているかはわかりませんが、きっと昔から日本人にとって「月」は身近な存在だったのではないでしょうか?


                  前置きが長くなりましたが、今月は
                  ・4日 ”月と金星が接近”
                  ・6日 ”月と土星が接近”
                  ・8日 ”月面X(21時頃)”
                  ・13日 ”後の月(十三夜)”
                  ・16日 “満月”
                  と月を眺めるいいきっかけがたくさんあります。この機会に月を眺めながら、昔の人々が月を眺めながらどんなことを考えていたのか思いふけってみたり、「月」の名前のついた日本酒を嗜んでみるのもいいのかもしれません。
                  (もちろん飲み過ぎには注意ですし、お酒は20歳になってからです。)



                  図1:10月の星空

                  *天文現象いろいろ*
                  ■ 1日 新月
                  ■ 4日 細い月と金星が並ぶ
                  ■ 6日 月と土星が接近
                  ■ 8日 寒露(太陽黄経195度)
                     月面Xが見える(21時)
                     10月りゅう座流星群が極大(1時間に1個程度)
                  ■ 9日 上弦
                  ■ 10日 体育の日
                      おうし座南流星群が極大(1時間に2個程度)
                  ■ 13日 後の月(十三夜)
                  ■ 15日 天王星が衝
                  ■ 16日 満月
                  ■ 20日 土用(太陽黄経207度)
                  ■ 21日 オリオン座流星群が極大(1時間に3個程度)
                  ■ 23日 下弦/霜降(太陽黄経210度)
                  ■ 28日 水星が合
                  ■ 31日 新月

                  参考文献/参考HP
                  【1】藤井旭『白河天体観測所』誠文堂新光社、2015年
                  【2】国立天文台 ほしぞら情報
                  【3】Astro Arts 星空ガイド


                  by Kobayashi & Moritani


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                  9月の星空
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                    9月になってもまだ日中は暑い日が続きますが、日の沈む時間が少しづつ早くなり、少しずつ早い時間から星を見られるようになります。


                    さて、突然ですが「八月十五日」という苗字の方がいるのをご存知ですか?

                    普通に考えれば「はちがつじゅうごにち」ですが、この苗字は「なかあき(地域によってはあきなか)」と呼ぶそうです。では、なぜそのような読みになるのか、そのヒントは8月15日という日付に隠されています。旧暦では1,2,3月を春、4,5,6月を夏、7,8,9月を秋、10,11,12月を冬としていました。その中で8月15日は「秋」全体の真ん中の日と考えられることから「中秋」と言っていい。これを訓読みして「なかあき」になったと言われています。


                    旧暦は太陰暦の一種なので、月の満ち欠けは日付によく対応します。月の半ばである15日の夜は満月に近い月が見えるのです。そこで、旧暦の8月15日、中秋の日に見える月を「中秋の名月(十五夜)」と言いました。今年の中秋の名月は9月15日、満月の2日前の少し欠けた月を眺めることができます。そう、実際は中秋の名月の日が満月とは限りません、というよりそうでない日の方が多そうです(2010~2019年の間で、中秋の名月が満月の年は3回)。これは、旧暦の15日が必ず満月になるわけではないことによりますが、その理由についてはまたどこかでお話しいたしましょう。


                    9月といえば、この「中秋の名月」のイメージが強くなりがちですが、今年の9月は前月に続いて惑星たちが星空を賑やかにしてくれます。8月24日には土星・火星・アンタレスが一直線に並んだ姿を観察できた方もいることかと思います。土星と火星は引き続き、宵の南西の空に見ることができ、アンタレスを含んだ3つの星の位置関係が日々どのように変化していくか観察すると面白いかもしれません。日の入り後、西の低い空に見えていた金星・木星・水星の内、金星・木星の観察は厳しくなりますが、水星は下旬以降日の出後の東の低い空で観察することが出来ます。26日には西方最大離角となり、東京では日の出の30分前に10度ほどの高度の位置に輝く水星を観察することができるかもしれません。ぜひ挑戦してみてくださいね。


                    9月の星空

                    *天文現象いろいろ*
                    ■ 1日 新月
                        金環日食(アフリカ方面:日本からは見られない)
                    ■ 3日 細い月と金星が大接近、木星も並ぶ
                        海王星が衝
                    ■ 7日 白露(太陽黄経165度)
                    ■ 9日 上弦
                    ■ 13日 水星が内合
                    ■ 15日 中秋の名月(十五夜)
                    ■ 17日 満月/半影月食(03:54)
                    ■ 19日 敬老の日/彼岸の入り
                    ■ 21日 水星が留
                    ■ 22日 秋分の日/秋分(太陽黄経180度)
                    ■ 26日 木星が合
                    ■ 29日 水星が西方最大離角

                    資料提供:白河天体観測所
                    参考文献:国立天文台 ほしぞら情報  http://www.nao.ac.jp/astro/sky/2016/09.html
                    Astro Arts 星空ガイド  http://www.astroarts.co.jp/phenomena/2016/09/index-j.shtml

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                    8月の星空
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                      梅雨も明け、今年も暑い夏がやってきました。 夏といえば海、キャンプ、星空観察!? ということでこの夏観察することのできる星空について紹介していきましょう。

                       夏の代表的な星の並びといえば「夏の大三角」があります。 こと座の「ベガ」、わし座の「アルタイル」、はくちょう座の「デネブ」を結んだ大きな三角形は都会の空でも見つけることができます。 また、はくちょう座のくちばしの先には北天の宝石とも呼ばれる「アルビレオ」という星が輝いています。 その語源はアラビア語の「アル・ミンハル・アル・ダジャジャー(めんどりのくちばし)」に由来します。 アルビレオは肉眼では一つに見えるのですが、小型の望遠鏡で見ると二つに見える二重星と呼ばれる星です。 二重星には、近い距離にある星が重力的な影響を及ぼすことからお互いを公転しあっている「連星」、地球から見ると同じ方向に星が並んで見える「見かけの二重星」に分けられ、アルビレオは「連星」に当てはまります。 この二つの星の片方は青色に、もう一方は金色もしくはオレンジ色に見えることから、宮沢賢治は「銀河鉄道の夜」という作品でサファイヤとドパーズになぞらえています。 まさに北天の宝石なのですね。

                       さて、この夏には南の空を望むともう一つの綺麗な三角形を見つけることができます。 一番明るく赤く輝いて見るのが「火星」、その次に明るく少し白く見えるのが「土星」、そして少し暗いですがオレンジ色に輝いて見えるが「アンタレス」です。 初旬から中旬にかけては、特に綺麗な三角形になります。 火星と土星は惑星ですから、この三角形を来年の夏に見ることはできません。 11、12日頃にはこれらの星に月が接近しとても贅沢な星空を堪能することができます。

                       そして、夏といえばペルセウス座流星群も見逃せません。 今年のペルセウス座流星群はとてもよい条件です。 11日は上弦のため、夜半頃に月が沈みます。 月明かりの影響がなくなれば暗い空で観察することができるでしょう。 また、流星の出現が最も多くなる極大は12日の22時頃ということで、とても観察しやすい時間です。 極大前後にも流星は見られるでしょう。 少し夜更かしして流星群観察に挑戦してみてください。



                      *天文現象いろいろ*

                      ■ 3日 新月
                      ■ 6日 細い月と木星が接近
                      ■ 7日 立秋(太陽黄経135度)
                      ■ 9日 伝統的七夕
                      ■ 10日 月面Xが見える(20時)
                      ■ 11日 上弦/山の日
                      ■ 12日 ペルセウス座流星群(22時頃極大、13日未明が見頃)
                           月と土星が接近
                      ■ 14日 土星が留
                      ■ 17日 水星が東方最大離角
                      ■ 18日 満月
                      ■ 下旬 火星と土星が接近
                           金星と木星が大接近
                      ■ 25日 下弦
                      ■ 30日 水星が留

                      資料提供:白河天体観測所
                      参考文献:国立天文台 ほしぞら情報  http://www.nao.ac.jp/astro/sky/2016/08.html
                      Astro Arts 星空ガイド  http://www.astroarts.co.jp/phenomena/2016/08/index-j.shtml

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